「届出」と「許可申請」の違いは?
昨日は、東温市の、とある農地を転用したいとのお話があり、該当農地が転用できそうな農地かどうか?等の確認をする為に東温市役所へ行ってきました。
農地を宅地にしたい(農地の転用)場合、各市町村の農業委員会へ転用の「届出」、もしくは「許可申請」を行わないといけません。勝手に転用(無断転用)した場、「3年以下の懲役又300万円以下の罰金に処する」と農地法に定められております。
ところで、「届出」と「許可申請」は何が違うのでしょうか。
行政手続法上、「届出」とは「法令で定められている特定の行為について、一定の事項を行政官庁へ通知する事」と定められております。行政官庁へ「報告」するようなイメージです。定められている正しい様式、書式で行政官庁へその旨を「届出」さえすれば、その事項に関しては必ず「受理」される。という性質を持っております。
例えば、住所変更届出。住所が変更された旨を一定の用紙に正しく記入し、市町村へ提出(届出)さえすれば、記入の不備等がない限りそれは必ず受理されるのです。これは認められません!と市町村から不可を出される事は原則ないのです。
専門的に言うと、行政官庁には「裁量の余地がない」という事になります。
一方で、「許可」とは「公共の安全や秩序の維持などの公益上の理由から、法令で一般的に禁止されている行為について、特定の場合に限ってその禁止を解除する事」と定められております。これは、「届出」とは違い、許可して欲しい!と申請をしたところで、必ず許可が下りるような性質ではありません。もちろん、内容によっては不許可となる事もあるのです。
例えば、「飲食店営業許可」。誰でもが飲食店を出す事ができてしまうと、きちんと衛生管理を行えていないお店まで営業する事ができてしまい、食中毒などの被害が出てしまう恐れがあります。その為公共の安全上から「許可」を貰わないとお店を出す事ができません。そして、きちんと衛生管理ができているお店であるか等の要件を満たしていないと申請を出しても「不許可」となってしまいます。
農地転用に話を戻しますと、都市計画法に定められている「市街化区域」の農地の場合は、各市町村へ「届出」をすれば転用可能です。
「市街化区域」以外の農地の場合は「許可申請」が必要です。難易度が上がります。許可申請ですので、必ず出来るとは限らず、転用できないケースも出てきます。
本日のお話は以上。「市街化区域」「市街化調整区域」のお話はまた今度。